こんにちは!東京動物専門学校 学生課の川原祥孝です。
前回は「愛玩動物看護師になるには?」をお届けしました。
今回は、東京動物専門学校がなぜ「飼育保健看護コース」(愛玩動物看護師国家資格を取得するコース)をスタートすることになったのか、その理由を深掘りしていきます。
【目次】
・実は、看護コース「再開」なのです。
・理由:その1≪より高度な飼育管理技術者を養成≫
・理由:その2≪将来の幅広い選択肢を!≫
・理由:その3≪動物大好き人間への後押し≫
・理由:その4≪資格取得への道をサポート!≫
・東京動物専門学校で学んだ愛玩動物看護師の特長とは?
・万全の教育体制で愛玩動物看護師国家資格を取得しましょう!
・学生の進路選択をサポート コース選択は入学後!!
・まとめ
実は、看護コース「再開」なのです。
東京動物専門学校は、長年にわたり動物飼育に特化した教育を提供してきましたが、実は2015年までは「動物管理専門課程 動物管理科(飼育コース・看護コース)」と、2つのコースを持っていました。
当時、「動物看護師」の国家資格についての話は、持ち上がっていました。しかし、議論が複雑になり資格化されるかどうか不透明でした。そこで、一時的に看護コースを休止することにしました。
その後、法制度が確立され、愛玩動物看護師が国家資格となりました。
動物に関わる様々なところで活躍が期待されています。そこで当校としても、このような業界のニーズや、これからご説明する様々な理由から、動物業界における更なる貢献を目的として、2025年度から動物看護に関わる教育を再開することとなりました。
この看護教育は、愛玩動物看護師資格を目指すことのできるコースとして「飼育保健看護コース」と名付けました。なお、従来の2年生のカリキュラムも引き続き残し「飼育管理コース」としています。
このことにより、当校の卒業生は国家資格を取得し、より専門的なスキルを持って動物業界で活躍できるようになりました。
では、そんな東京動物専門学校が、愛玩動物看護師養成コースを導入する理由はなんでしょうか?
理由:その1≪より高度な飼育管理技術者を養成≫
東京動物専門学校は、開校以来、動物園や水族館をはじめとする動物関連施設に多くの卒業生を輩出してきました。
特に、動物園や水族館に至っては、卒業生の45%以上(2024年3月卒業生実績)が就職し、いわゆるキーパー(飼育員)として活躍、業界からも高い評価をいただいています。
キーパー(飼育員)は、飼育業務を中心に行いますが、そのポイントの一つに「いかに早く動物の変化に気づけるかどうか」ということがあります。
動物園や水族館で飼育されている動物も、人間と同じように病気になります。また高齢になればなるほど、そのリスクは高まります。
しかし、動物は「自分が弱っている」「調子が悪い」ことをギリギリまで隠す傾向にあります。何故なら、一旦その弱みを見せたら他の動物に食べられてしまうかもしれないからです。
これは野生動物の命を守るための本能といっていいでしょう。
また、動物は言葉によるコミュニケーションを取ることはできません。
実際のところ、気づいたころにはもう手遅れ、ということも少なくありません。
しかし、早めに気づくことができれば、動物の命を守ることに繋がります。
動物園や水族館のキーパーは、そこで飼育される動物の飼い主として、日々の動物の一挙手一投足に目を配り業務にあたっています。
また、体調の変化に気づいた後は、診断・治療に入ります。
獣医師が行いますが、ここでは獣医師との円滑なコミュニケーションが重要になります。いつから変化したのか、どのような症状なのかは、飼い主であるキーパーにしかわかりません。
つまり、キーパーの存在は動物を守るための大切な存在であるわけです。
本校では、それらの力を、実際に動物を飼育しながら身につけています。
しかし、2年間のカリキュラムでは、飼育技術を習得することや体調管理はできても、動物医療に関しては学びきれていない部分があります。
実際に就職した卒業生からも、担当動物の治療という部分において、動物園や水族館で勤務している獣医師の指示が理解できず、スムーズに処置が出来なかった、もう少し獣医療の知識を勉強したかったという声もありました。
そこで、国家資格となった愛玩動物看護師資格のカリキュラムを導入することで、そのようなニーズに応えようと考えたのです。
そうすれば間違いなく、本校の飼育技術を持つ学生は、看護師の知識と技術を持つことにより獣医療とのコミュニケーションがより円滑になり、早期治療につながると確信したからです。
理由:その2≪将来の幅広い選択肢を!≫
2つ目の理由は、導入により「動物関連の仕事をしてみたい」と考えている方々の将来の選択肢が広がるということです。
本校の学生は、動物園や水族館の飼育員やショーパフォーマーになりたい、牧場で働きたい、アニマルトレーナーになりたい、厩務員になりたい、ペットショップスタッフになりたい、動物病院で働きたいなどの様々な目標を持って入学します。
一方で、漠然と動物関連の仕事に就きたいと思っているけれど、まだよくわからない、といった人もいます。
また、はじめは水族館の飼育員になりたいと思っていたけれど、勉強していくうちに馬関係に進みたいといったように進路が変わったという人もいます。
実際に触れてみないと分かりませんから、入学するまで決まっていない、入学後に希望が変わることはごく自然なことです。
私たちとしては、納得のいく選択をして欲しいことから、できる限り幅広い選択肢を提供していきたいと考えています。愛玩動物看護師という選択肢は、まさに学生の未来の選択肢が拡がるということにつながります。
また、本カリキュラムを導入することで、「将来的には動物病院で愛玩動物看護師として仕事がしたいと考えているが、愛玩動物だけではなく様々な動物にも関わりたい。」といった人や「動物園の飼育員になりたいと考えていたが、将来的なことも考えて愛玩動物看護師の国家資格を取得したい」と考えている方々の将来の「夢をつかむ」チャンスが広がるのではないかと考えています。
理由:その3≪動物大好き人間への後押し≫
3つ目の理由は、「動物が好き、長く動物業界に関わっていたい」と考える人たちへの後押しです。
長い人生の中で、色々な理由があって職場を変えなくてはならない、離れざるを得ない、という岐路に立つこともあると思います。
そのような時でも、「愛玩動物看護師国家資格」があることにより、動物との関わり方の選択肢が広がり、より長く動物と関わっていけるのではないかと考えています。
理由:その4≪資格取得への道をサポート!≫
4つ目の理由は、「国家資格取得のサポート」です。
将来を考えるうえで、資格の取得を優先的に考える方もいらっしゃるでしょう。
本校では、これまで、玉掛技能者や潜水士、危険物取扱者(乙種第4種)、刈払機取扱作業者といった国家資格や赤十字救急法救急員資格の取得をサポートしていますが、これに愛玩動物看護師が加わり、これまで以上に様々なことに対応できる動物飼育看護のプロフェッショナルになることができると考えています。
東京動物専門学校で学んだ愛玩動物看護師の特長とは?
では、本校で学んだ愛玩動物看護師はどんな特長があるのでしょうか?
本校は、1987年に前身の東京動植物専門学院を開校して以来、35年以上の歴史を歩んできました。
現在では、230種1500頭の動物が飼育されるようになり、東京ドーム一個分の広大な敷地の中で、ホワイトタイガー、ワオキツネザル、アシカといった動物園や水族館でしか見られない希少動物が数多く飼育されています。
学生たちは、年間を通じ、実際に動物に直接触れながら学んでいます。
本校で目指す愛玩動物看護師は、飼育保健看護コースで学びますが、このコースでは、飼育についても学ぶことができます。
「野生動物から愛玩動物まで」多種多様な動物種の飼育を学びながら動物看護も学ぶことができる(愛玩動物看護師資格も取得できる)、ということであり、詳しくは今後のコラムで発信していきたいと思いますので楽しみにしてください。
万全の教育体制で愛玩動物看護師国家資格を取得しましょう!
新しいコースということで不安な方もいらっしゃるかもしれませんが、安心していただいて大丈夫です。
上にも書きましたが、本校の愛玩動物看護師資格が創設される前の2015年まで、看護コースがありました。
様々な事情により一度コースを休止することにしましたが、この度、当該資格の取得と共にパワーアップして再開することになりました。なので、実績もありますし、動物分野の看護師として勤務している卒業生もたくさんいます。
つまり、当該資格教育を行う基盤が既に備わっていますので、安心して門をたたいていただきたいと思います。
学生の進路選択をサポート コース選択は入学後!!
新しいカリキュラムでは、学生が実際に学びながら進路を決定できるようにしています。具体的にいうと、コースは2年生進級時に選択することになっています。
このことにより、入学後1年間学んだ上で、動物飼育のプロフェッショナルを目指すか、飼育に加え愛玩動物看護師資格の取得を目指すか、自分に最も適した進路を見つけることができます。
まとめ
東京動物専門学校は、業界の変化やニーズなどの様々な事情に対応し、学生が長く動物業界で活躍できるよう、愛玩動物看護師の取得を目指すコースをスタートしました。
東京動物専門学校は、2015年まで動物看護についての教育を行っており、資格教育の基盤は万全です。新たにスタートしたからといって体制に不安を感じることはありません。
興味がある方は、ぜひこの新しいカリキュラムをチェックしてみてください!
これからも東京動物専門学校は、学生一人ひとりの夢をサポートし、動物業界での未来を共に築いていきます。
なぜ東京動物専門学校が、愛玩動物看護師資格を重視しているのでしょうか?
次回は「東京動物専門学校が愛玩動物看護師資格を重視する3つの理由とは?」をお届けします。
執筆者:川原 祥孝<学生課所属、飼育所(実習施設)副長>
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保有資格 | 薬剤師、愛玩動物看護師、潜水士、二級ボイラー技士、玉掛け技能者、小型移動式クレーン運転技能者 |
自己紹介 | 休日は、家族と過ごすことが好きです。特に外出が好きですが、訪問先でも仕事に使えそうな事を探してしまい家族に怒られることもあったり。仕事をする上で大切にしているのは、「学生が困難な夢に挑戦している時、適度な距離感を保ちながらしっかりサポートすること」です。学生の自主性を尊重しながら、よりよいサポーターでいられたらと思っています。最近はまっている趣味は投資で、企業を調べて、考え方に共感できた企業に投資しています。 |