こんにちは!東京動物専門学校 学生課の川原祥孝です。
前回は「「東京動物専門学校が愛玩動物看護師資格を重視する3つの理由とは?」」をお届けしました。
今回は、東京動物専門学校が2025年度から導入した新たなカリキュラムについてお伝えします。
本校は2025年度から、今までの動物飼育管理の知識と技術の習得に加え、「愛玩動物看護師」国家資格の取得を目指せるようになりました。動物業界で働きたいと願う学生の皆さんの「力」になるべく、学校も一丸となって取り組んでいきます。
【目次】
・動物飼育と動物看護、どちらも目指せるカリキュラム
・夢の選択肢が広げる
・飼育管理コースと飼育保健看護コースの違い
・カリキュラムのコンセプト ~バランスの取れた人材を育てる~
・2年次前期までは、両コースともに同じカリキュラム
・1年次前期
・1年次後期
・2年次前期
・2年次後期からは、それぞれの専門分野へ
・2年次後期
・3年次前期
・3年次後期
・時間割にするとこんなイメージ
・東京動物専門学校のカリキュラムの特徴はこんなところ
・最後に
動物飼育と動物看護、どちらも目指せるカリキュラム
~ コース選択は2年生進級時 ~
新たなカリキュラムでは2コース制となり、従来の動物飼育に特化した「飼育管理コース」に加え「愛玩動物看護師」国家資格を取得できるコース(3年制)がスタートしました。
コース選択は2年生進級時となっており動物の飼育や看護を行うにあたり、必要な基礎を学んだうえで自分の進むべき道(進みたい分野)を見極められるようになっています。
動物管理専門課程 動物管理科
・「飼育保健看護コース」3年制
・「飼育管理コース」2年制
今まで入学した学生の多くは、漠然とした夢を抱いて入学してきました。
例えば、「動物園で働きたい」「動物病院の看護師さんになりたい」などです。
「夢」はあるものの、具体的にどんな仕事をするのか、どのように進めば「自分の「夢」がつかめるのか、分からないことが多くありました。
「分からないままに、なんとなく決めてほしくない。」そう考えた私たちは、今回のコース制の導入にあたり、1年目を「情報収集と学びの年」と位置づけ、リアルな動物業界情報や最新の動物飼育・動物看護に関する知識の提供を通じて、自分にあった将来のキャリアを見つけてもらえるようにすることとしました。
夢の選択肢が広がる
新カリキュラムの大きなポイントの1つは、学生の夢の選択肢が広がることです。
何故かというと、入学時に持っていた夢が、実際の学びや経験を通じて変わることがあるからです。
たとえば、動物飼育員になりたいと思って入学した学生が、授業や実習を通じて動物看護師の魅力に気づいたり、また、逆に動物看護師を目指していた学生が、飼育の面白さに目覚めることもあります。
私たちは学校生活を通じて、学生が進路を柔軟に決められるようにサポートし、自分の本当の夢を見つける手助けをしたいと考えています。
飼育管理コースと飼育保健看護コースの違い
ここで気になるのが、2つのコースの違いです。
両方ともに「飼育」という言葉が入っていますが、一体どのように違うのでしょうか。
簡単に言えば、
「60%はほとんど同じ授業で、残りの40%が、愛玩動物看護師の資格取得を目的とした授業」ということになります。
次の項からもう少し詳しく説明していきます。
カリキュラムのコンセプト
~バランスの取れた人材を育てる~
動物を飼育するということは、動物に対する知識だけでなく、さまざまなことが求められます。
例えば、「命を扱うという心構え」「安全に取り扱う技術」「動物を安全に支えるための自分の身体づくり」などがあげられます。
本校では、こうした「心・知・技・体」のバランスが取れた人物を育成するという教育理念のもと、充実したカリキュラムを組んでいます。(詳細は学校ホームページ「教育理念」へ)
2年次前期までは、両コースともに同じカリキュラム
両コース共に、入学後1年半は同じカリキュラムを学びます。
具体的には、次のような内容です。
1年次前期
・動物に関わる仕事をする上で必要な考え方や姿勢、および基礎知識の復習、習得を目指す。
・動物の基本的な体の構造つくり・機能(はたらき)を把握し、機能が失われたとき、どのような状態(病気)になるかを学ぶ。
・動物飼育管理の基礎を、講義及び実習を通して学ぶ。
1年次後期
・様々な動物種別(ex.有蹄類・食肉類・霊長類・鯨類・鳥類・爬虫類 など)に、その動物の生態・食性等の特性を学ぶ。
・動物を健康に維持・管理していく上で必要な、栄養や感染症(予防)、行動について学ぶ。
・実習を通して、前期で学んだ動物飼育の基礎を発展させる。
※この時点でコース選択!
2年次前期
・動物の繁殖について学ぶ
・動物を健康に維持・管理していくためにさらに必要な日常管理のポイント、保定について、獣医学的な観点を交えて学ぶ
・動物が病気になった時に、動物の身体ではどのような変化が起こっているのかを学ぶ。また、その変化を知るための検査について学ぶ。
・実習を通して、1年次で学んだ動物飼育を応用できるようになり、また、動物看護に関する基礎を身に付ける。
2年次後期からは、それぞれの専門分野へ
2年次後期から、それぞれの専門分野に特化したカリキュラムとなっていきます。
2年次後期
〇飼育管理コース
実習(週5日)、及び施設研修を通して、動物飼育管理を実践する。
※このころには、就職先を視野に入れた実践が開始されていきます。
〇飼育保健看護コース
・動物看護の歴史について学ぶ。
・動物看護の基本となる、アセスメント、看護計画と記録、臨床徴候と看護の視点、などを学ぶ。
・内科的・外科的看護を総論的に学ぶ。
・病気の治療薬について学ぶ。
・実習、施設研修を通して、動物飼育管理技術を実践し、また動物看護技術の基礎を身に付ける。
※飼育管理コースはここで卒業!
3年次前期
・代表的な病気について、器官系別に検査を中心に具体的に学ぶ。
・実習を通して、病気と実際の看護について学ぶ。
・それまでに学んできたことを、病院等への研修を通じて実践、習得する。(看護インターンシップ)
3年次後期
・それまでに学んできたことを整理、復習する。
・国家試験に向けて各分野の実践的な問題を解いて更に理解を深める。
時間割にするとこんなイメージ
3年間を時間割にしてみるとこんなイメージ(時間割ページ)になります。
東京動物専門学校のカリキュラムの特徴はこんなところ
ここまで簡単にカリキュラムの全体像をお話してきましたが、ここでポイントをまとめたいと思います。
230種1500頭羽とともに動物飼育管理の習得と愛玩動物看護師を目指せる。
このことは、他の学校と比較しても、本校だけの特長ではないでしょうか。
多種多様な動物種の生態、飼育方法等について正しく学び、実践できる!
比較動物学(産業動物、実験動物、野生動物)、特殊動物学、愛玩動物学、水族学という講義があります(1年後期)。
これらは、様々な動物種の生態や食性、社会とのかかわりについて学ぶものですが、教室での授業で終わらず、実際に実習授業で実践的に体得することで学んでいきますので、より身に付きます。
因みにどんな動物が対象かというと、例えば、マウス、ラット、モルモット(テンジクネズミ)などのげっ歯類、犬や猫などのペット動物、ウマ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ニワトリなどの産業動物、アシカ、アザラシなどの水棲哺乳類、ワオキツネザル、オオカミ、アルパカ、リャマ、サル、カピバラ、バク、ホワイトタイガーなどの動物園動物などがあげられます。
そして、これらすべての動物が学校にいて、直接触れることで学んでいきます。「動物たちが先生」になって、皆さんを育ててくれます。
充実した動物看護実習(エキゾチックアニマルを含む)
看護実習においても、内科、外科、臨床検査学などの実習がありますが、東京動物専門学校では、愛玩動物だけではなく、多種多様な動物を対象に経験を積むことができます。
聴診器を当てて心拍や呼吸の確認をしたり、体温計を用いて体温を測定したり、血液検査の結果を読んだり、手術における補助を学びます。
全国の動物関連施設(分野問わず!)が対象の施設研修と看護インターンシップ
2年生後期には、1か月間の施設研修(インターンシップ)に行く期間がカリキュラムに組み込まれています。
カリキュラムの目的は、学校で取得した知識や技術の確認、そして実社会生活の体験です。
また、自分の就職希望先を意識した研修でもあり、場合によっては、就職試験に相当し、就職内定が決まることもあります。
研修先は、日本全国の動物園、水族館、観光牧場、馬牧場、酪農・畜産、ペットショップ、動物病院、研究施設、動物ふれあい施設などあらゆる動物関連施設が対象です。
なお、本施設研修は、飼育管理コース、飼育保健看護コースの両コースの学生が対象です。
飼育保健看護コースは、「動物病院に研修に行くのかな?」と思うかもしれませが、東京動物専門学校はそこが他校とは違います。
飼育保健看護コースには、3年生前期に動物病院等での看護インターンシップが予定され、それまでに学んできた看護知識と技術を実践します。
従って、飼育保健看護コースの方は、2年次では飼育管理コースと同じように動物園など他の分野へ研修に行くことができます。
もちろん、動物病院へも行けますが、3年次には看護インターンシップが待っていますので、東京動物専門学校ならではの経験ができます。
社会、自己成長についてのインプットも欠かしません。
仕事論や社会学概論といった教養科目で、「仕事とはなにか」、「働くとはどういうことか」を学び、就職対策講座を通じて社会人の基礎を身に付けます。
また、自身の健康管理や、論理的に考えるチカラ、自ら動き出せるチカラ、トラブルを乗り越えるチカラ、そしてパソコンの使い方、などを学ぶことで全体の学びを促進させます。
学校が動物園になる学校祭
毎年秋になると、学校祭が開催されます。普段は動物のいない八千代キャンパスに動物がやってきて、学校が動物園に変身します。
動物を展示するための檻の準備、生態に合わせた展示方法の工夫、展示中の飼育などを通して、日頃の学びを実践します。
また、動物を搬入して展示の準備をするだけでなく、バードショーや水族ショーの準備、宣伝、おみやげの作製やランチの準備、ふれあいイベントの開催、ゲームの企画運営など、一つの動物園を学生たちで作り上げていきます。
これは、学生たちの日頃の活動の発表の場であるとともに、教育普及活動の一環として地域の子供たちに動物たちを公開し、楽しく動物について学べる場に繋がっています。
毎年計1万人を超える多くのお客様方に楽しんで頂いています。
最後に
東京動物専門学校は、学生一人ひとりの「夢」を大切に、皆さんが本当にやりたいことを見つけ、その道に進むために全力でサポートしています。
興味を持って頂きましたら、是非一度学校にお越しください。両キャンパスでオープンキャンパスを実施しており、
八千代キャンパスでは、学校説明会(定期開催)・授業見学(随時)を、
実習を中心として行う富里キャンパスでは、体験入学や施設見学を定期的に開催していますので、良かったら確認してみてください。
東京動物専門学校は、これからも動物業界で活躍できる人材を育成し、夢の実現をサポートしていきます。
興味をお持ちの方は、ぜひ私たちの新カリキュラムに注目してみてください!
東京動物専門学校では、愛玩動物看護師の国家資格を通じて、みなさんにより長くより安定して、動物と関われる仕事に携わっていただきたいと考えています。
次回は「「愛玩動物看護師:長いキャリアを見据えた東京動物専門学校の新たな取り組み」をお届けします。
執筆者:川原 祥孝<学生課所属、飼育所(実習施設)副長>
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保有資格 | 薬剤師、愛玩動物看護師、潜水士、二級ボイラー技士、玉掛け技能者、小型移動式クレーン運転技能者 |
自己紹介 | 休日は、家族と過ごすことが好きです。特に外出が好きですが、訪問先でも仕事に使えそうな事を探してしまい家族に怒られることもあったり。仕事をする上で大切にしているのは、「学生が困難な夢に挑戦している時、適度な距離感を保ちながらしっかりサポートすること」です。学生の自主性を尊重しながら、よりよいサポーターでいられたらと思っています。最近はまっている趣味は投資で、企業を調べて、考え方に共感できた企業に投資しています。 |