第3回 お気に入りの展示
私はこれまで、数多くの世界の動物園を見てきました。30園近くになるでしょうか。
それらの主なものは動物園関係の会議に出席した合間に見てきたものですが、今回は、私の最もお気に入りの展示について紹介しようと思います。
それは、米国ニューヨーク市のブロンクス動物園の中にある展示です。
これは正門です。意外に質素というか、簡素です。
◆ゴリラ館 CONGO – Golira forest- です
ここに入るには、新たに5ドルの入園料が必要です。
その入り口の看板には、「この入園料はアフリカの保護活動に使われます。展示の最後に、どの保護活動にお金を使うか選んで下さい。」との説明があります。
入口からは、かなり長い小道を歩きます。
途中には、動物たちの「糞」や「食痕」、「スイギュウの頭蓋骨」、「アリ塚」、「擬木」などがあり、まるでアフリカの熱帯雨林に分け入った気分です。
更に、沿道にはオカピやアビシニアコロブス、マンドリルとカワイノシシの混合飼育などが展示されています。
通りの解説版に、ややショッキングなゴリラ首が出てきます、ブッシュミートといわれるもので、一般的には、現地の人が、野生動物を狩って、食料にしているといわれています。
やっと、スクリーンのある部屋に通され、ビデオを観ます。
内容はアフリカでのWCS(ニューヨークの動物園協会)職員のゴリラ保護などの活動状況が映しだされます。
写真は、これから映写が始まるところです。
ビデオ終了後、スクリーンが上がり、カーテンが左右に開きます。
すると、ガラス面の向こうにゴリラが表れます。
オー!!と歓声が上がり、感激のゴリラとのご対面です。
なかなか憎い演出です。感心しました!
子供は、いつも興味新々です。手を伸ばすと・・・、
バーン、と、ガラス面をたたき
そそくさと、走り出しました
この動物園では繁殖にも成功しています。
2015年4月の現在数は19頭です。同年1月に2頭の誕生があったのをはじめ、1972年以降、この園で生まれたのはなんと52頭にも上り、良好な繁殖状況が分かります。
メンバー一覧の一部です
さて、感動のゴリラとの対面の後に、追加徴収された5ドルの使途を、WCSの実施している4種の動物保護活動の中からテレビ画面で選択することになります。
これが投票画面です。
ゴリラ、アフリカゾウ、マンドリル、オカピの中から選びます。
私はもちろん、大好きな「ゴリラ」に一票でした。
よく考えられた展示。さすが、ブロードウエイが近くにあるからだと思います。是非一度訪ねることをお薦めします。
さて、今まで紹介した「人のオリ」が好評ですので、改めて追加いたします。
◆浜松市動物園
外から見ると、ミーアキャットの展示ですが、
ミーアキャット側から見ると、
ミーアキャットの説明版の裏にヒトの説明があります。
写りがあり少し見づらいですが、費用もかけずに良く工夫されています。
◆豊橋総合動植物公園
入口は出入り自由で、中にベンチが置いてあります
外から中のベンチを見ると、説明版はこの通り。
動物園には、さまざまな工夫が凝らされた展示があります。
どうか時間をみつけて訪れてください。きっと新たな発見があるはずです。
第3回 おわり