先輩からのメッセージ
今日も3000人以上の卒業生たちが
全国で動物に携わる仕事をしています。
卒業生たちが頑張ってくれているからこそ、本校は、全国の動物関連の各施設から厚い信頼を受けています。その信頼に応えていくことが、本校の責任でもあります。卒業生と学校の絆は強く、学生たちの就職活動にもとても役立っています。
森下 冬惟さん (仙台市八木山動物公園)
八木山動物公園で、ゾウを担当して5年になります。ゾウは安全管理が大変ですが、先輩飼育員たちの何気ない会話の中にも長年培われてきた伝統技術のようなヒントがたくさんあります。そうした知識を継承・発展させながら、できるだけ長くゾウに関わっていきたいと思っています。
大型草食獣は以前から大好きでしたが、それ以上に、「絶対、動物園で働きたい」という強い思いがありました。競争率が高い八木山動物公園に採用が決まった時は、とにかくホッとしたことを覚えています。同級生たちを見ても、最後まで絶対に諦めなかった人が動物園で働いていると感じています。
私の願いは「元気な動物を、元気に育てていく」ことです。
学生時代に先生から教えていただいた「100回の正常を見て、やっと1回の異常がわかる」という言葉が今でも役に立っています。その言葉を聞いた頃、学校で馬の飼育もしていましたが、誰よりも長く馬を観察していたと思います。それでも担当していたサラブレッドが死んでしまいました。その時、私は悲しむだけではなく、「この死をどう次につなげられるか?」ということを考えていました。飼育員として大切なことに気づくことができた瞬間でした。
今川 明日翔さん (鳥羽水族館)
動物園で働きたいと思って東京動物専門学校に入学しましたが、在学中に水族館で働きたいと思うようになりました。きっかけは、富里キャンパスでアシカとアザラシの馴致を体験したこと。「会話ができなくても、教えられるんだ」と夢中になり、土日も富里に通うようになりました。水族館でアシカなどのショーがしたいという気持ちが強くなると、動物園のことは頭の中から消えました。
そして就活中に、学校に鳥羽水族館の募集情報が貼り出されました。行ったことがないところでしたが、調べてみると、アシカなどの種類、頭数が全国トップクラス。チャンスだし、ラッキーだと思いました。
なんとか無事に入社でき、現在は主にセイウチのパフォーマンス笑(ショー)を担当しています。夢を実現できていますが、もちろん楽しいことばかりではありません。入社から2年目頃に、つらい出来事がありました。元気に生まれたと思っていたセイウチの赤ちゃんが、わずか5日で容態が急変し、死んでしまったのです。
「命がある」という当たり前は、実は奇跡の連続なんだ、ありがたいことなんだと実感し、精神的な面で、動物との向き合い方が学生時代とはまったく変わりました。
青芝 祐子さん (乗馬クラブ クレイン東京)
多くの人たちに乗馬の楽しさを知ってほしい。それによって、たくさんの馬たちが長く幸せに暮らせる場所を増やしていきたい。それが私の願いであり、仕事です。
これまで馬に乗ったことのない方を対象とした体験乗馬レッスンを担当しています。お客様の年齢層は幅広く、小学生から70歳位の方まで。多い月は1ヶ月に約300人、1年間に約3000人のレッスンを行っています。
最初は怖がっていた方も、一度体験なさると、馬の賢さや優しさをわかっていただけます。また、馬にはそれぞれ個性があるのですが、付き合っていくうちに距離が近くなっていき、まるで大切な友達のような感覚になっていきます。
学生時代は、動物に向き合うことが中心でしたが、今はどちらかというと人との関係のほうが大きいかもしれません。私とのレッスンがきっかけで乗馬を続けてくださったお客様から、「本当にありがとう。おかげでこんなに元気よ」と声をかけていただけると、とても嬉しくなります。
学校のことをお客様に話すと、「学校にそんなに動物がいるの!?」とびっくりすると同時に、うらやましがられます。まずは、全国のどこにもないキャンパスライフを楽しんでください。
中島汐里さん (マザー牧場)
マザー牧場では現在、卒業生が15名、スタッフとして頑張っています。私は、主にマザーファームツアーのツアーガイドと羊の飼育、羊飼いを担当しています。ガイドでは自分が日々飼育をしていて発見したことや、出来事などを交えた飼育員ならではのトークをするように心掛けています。家畜の可愛さを伝えるのはもちろん、私たちの生活に大きく関わっているということを、お客様の反応に合わせて話をするよう意識しています。私の担当エリアでは毎年3月頃に約50頭の仔羊が誕生します。出産ラッシュは、特に、母となる羊たちをよく観察し、生まれてきた仔羊がしっかり育っているか、注意深く観察をして管理をしています。卒業してから4年ほど経ちましたが、今でも同級生とは連絡を取り合ったり、お互い仕事として再開を果たしたりもしました。東京動物専門学校での経験はもちろん、出会いや繋がりも私の中ではとても大きな宝物です。