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動物園飼育員の一日の仕事をタイムスケジュールで徹底紹介

コラム動物関係の仕事

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動物園飼育員の一日の仕事をタイムスケジュールで徹底紹介


みなさん、こんにちは。東京動物専門学校 学生課の川原祥孝です。

今回は、動物園やサファリパークの飼育員に憧れている高校生の皆さんの

動物園飼育員の仕事って実際にはどんな内容なんだろう?

という疑問に、本校の卒業生たちのリアルな一日を追いかけながらお答えしていきたいと思います!
※以降、動物園やサファリパークを「動物園」と略してご案内します。


【目次】
動物園の飼育員とは
動物園の飼育員が担当する仕事内容・職種の全体像
動物園飼育員の一日の仕事を徹底解説
動物園の飼育員に向いている人・必要なスキル・体力
動物園での動物飼育員のお仕事に興味がある方へ
まずは動物の世界を体験してみよう


動物園の飼育員とは


動物園の主役は動物たちであることは言うまでもありませんが、その裏側で日々動物たちの健康や生活を支えている人たちがいます。

それが「飼育員」です。

飼育員は動物にエサを与えるだけでなく、健康状態のチェックや住環境の整備、繁殖のサポート、さらには来園者に向けた解説など、いろいろな業務に携わっています。

同じく動物に関わる仕事として獣医師がいます。獣医師は主に病気やけがの治療を行う動物のお医者さんです。

どちらも仕事内容からいうと、飼育員は日常的な観察や世話を通して体調の変化にいち早く気づき、そして獣医師が治療を行う。このように、両者は連携して動物の健康を守っています。

また、動物園には飼育員や獣医師のほかにも、イベントを企画するスタッフや広報、運営など多くの人が働いています。

しかし、その中でも飼育員は、動物ともっとも近い距離で関わる職種です。

動物園の飼育員が担当する仕事内容・職種の全体像


動物飼育員は、ただ「動物にエサをあげる」だけの仕事ではありません。「命を預かる仕事」であり、さまざまなことをしています。また、来場者への教育活動やレクリエーションの役割も果たしています。

主な仕事内容


主な仕事内容は次の通りです。

飼育管理(給餌、健康管理、清掃)
動物の行動観察・記録管理
動物の搬出入
繁殖・育成
展示スペース、バックヤードの整備
来園者へのガイド
イベントや解説会などの教育普及活動
医療サポート(投薬や処置の補助)

動物の種類や園の規模によって役割は少しずつ異なりますが、どの業務も「動物と人の架け橋」になる大切な仕事です。

動物園飼育員の一日の仕事を徹底解説


飼育員の一日は、動物の健康や安全を守るため、朝早くから始まります。具体的なスケジュールは動物園によって異なりますが、東京動物専門学校を卒業して動物園に就職した飼育員の例で紹介しましょう。

動物園飼育員の一日とは?基本のタイムスケジュール

【出勤】

8:30に出勤します。   ※施設によって違いますが、8:30~9:00が多いです。

【開園前】

<チームミーティング>
昨日どんな様子だったか、いつもと変わった様子はなかったかを振り返り、今日はどのように対応していけばよいかなどについて、チームでミーティングを行います。

<園内見回り>
ミーティング後は、安全面等の確認を行います。広い園の場合は、バイクや車に乗って園内を見回ったりもします。

<担当動物の体調確認や展示場の環境整備>
個体ごとの特徴やミーティング時に共有した内容などをもとに、一頭ごとの体調を確認します。また、動物たちが退屈しないよう、小さなエサを展示場のいろいろなところに隠して日中エサ探しができるようにします。

<動物の展示場への移動>
体調確認終了後は、一頭ずつ展示場へ移動を促します。動物を同じタイミングで移動させて、けががないように複数人で確認しながら作業します。

【開園後】

<飼育舎の掃除と動物の状態チェック>
飼育舎に入り、排泄物の状態やエサの食べ残しがないかなどをチェックし、動物たちの健康状態を把握します。また、寝床を清潔に保つためなど、舎内を掃除します。

<エサの準備>
閉園後飼育舎に戻ってくる時や翌朝用のエサの準備を、一頭ごとの体調に合わせ準備します。

<副担当動物の飼育作業>
副担当の動物の飼育をヘルプしにいきます。

<動物の治療>
けがをしたり病気になったりした動物の治療を補助します。

<飼育舎のメンテナンス>
動物の飼育舎の中で壊れているところがないか、動物がけがをするようなところはないかを確認し、必要に応じて修復します。

<調査研究>
行動の理解や繁殖のための、データ収集をします。

<掲示物の作成やイベント等対応>
来園者に分かりやすく楽しんでもらえるような掲示物の作成を時にはイベント、取材に対応します。

【閉園後】

<動物の体調確認>
一日過ごしたあとの動物の状態を確認します。

<展示場の清掃>
展示場を見回り、安全面などに問題がないかを確認しながら清掃します。

<日誌の作成と情報共有>
一日にあった出来事などを記録し、チーム内で共有します。

<お風呂に入ってきれいさっぱり>
飼育員は、健康な動物だけでなく病気になった動物にも関わります。そのため自分自身も、一日の汚れを流して帰宅します。

【退勤】

17:30に帰路につきます。 ※施設によって違いますが、概ね17:00~17:30です。

色々盛りだくさんですね。日中の仕事については、すべてが毎日あるわけではありませんが、動物の管理だけでなく様々なことに携わっていることを、分かっていただけたと思います。

飼育員の仕事:動物のケア

動物園の飼育員に向いている人・必要なスキル・体力


こんな人に向いています

まず一番に言えることは、「動物のことが好きかどうか」ということでしょう。

東京動物専門学校の学生や卒業生に聞いてみても、みんなに共通しているのは「動物が好き」ということです。

しかし、動物が好きなだけで働けるわけではありません。

動物園の飼育員の仕事は様々ですが、身体を動かすことが多い仕事ですから、身体を動かすことが好きな人、じっとしているよりも動いている方が性に合っている人は向いているかもしれません。また、来園者に分かりやすく説明することも仕事の一つですので、人と話すことが好き、という点も大事な要素といえるかもしれません。

また、どんな仕事にもいえることですが、時間を守れるかどうか、規則正しい健康な生活が送れるかどうかも、仕事を進めるにあたり大切なことです。これらは動物園に限りませんが、大切な事として意識しておくとよいことだと思います。

さらに、動物を飼育したことがあるという人は、その素養があるという点で向いているといえます。(この点は、たとえ飼育したことがない人でも、東京動物専門学校に入ればばっちり経験できます)

尚、公立動物園に就職を希望する場合は、都道府県等の自治体や公共団体に勤めることになりますので、いわゆる<一般常識行政の職員として求められる基本的姿勢や適性をチェックする試験が設けられています。そのことを、頭の中に入れておいて下さい。

持っていると良いスキルなど

1.体力
清掃や運搬作業など、身体を使う仕事が多い職業です。特に夏や冬の気温が厳しい時期は、より体力を消耗します。体力づくりをしておいた方が良いでしょう。多くはありませんが、動物園によっては応募要件に記載しているところもあります。

 

2.コミュニケーション力と行動力
お客様の対応を求められることも多くあります。来場された方に楽しんでいただくために、具体的に行動できる力も必要です。

 

3.チームワーク
チームで動物を見る仕事です。情報共有や引継ぎ、記録を正確に残し伝える力、そしてチームワークが求められます。

 

4.動物飼育知識及び技術
動物はその種ごとに食べ物も住環境も異なりますので、それぞれの生態に合わせて飼育していくことが重要です。また必要に応じて、動物を保定し処置を行うこともあります。動物に合わせたエサづくり、住環境の整備、保定技術などの飼育知識や技術を持っていることは、より安全に動物を飼育するにあたり大切なこと。このことは、多くの動物園で応募要件に記載されています。

 

5.動物看護知識および技術
医療補助を行うための基本的な動物看護の知識があることで、獣医師とのコミュニケーションが円滑になり、素早い対応ができるようになります。

動物園での動物飼育員のお仕事に興味がある方へ


動物園の飼育員として働くことへのイメージがつかめたでしょうか?

東京動物専門学校には、動物飼育や看護の知識・技術だけでなく、「プロとして働く力」を身につけられる実習環境が整っています。富里キャンパスでは、230種類1500頭羽の動物とふれあいながら、本格的な飼育看護技術を学ぶことができます。

230種類1500頭羽の動物がいる冨里キャンパス

また、上で述べた「持っていると良い飼育技術・スキル」はすべて本校で学べます。
更に、在学中からの就職支援インターンシップも充実しています。
開校以来30年以上が経過しましたが、卒業後は全国の動物園や水族館で多くの先輩たちが活躍中です。

まずは動物の世界を体験してみよう


色々と文章で説明しましたが、伝えきれないことも多くあります。

東京動物専門学校は、

「230種1500頭とともに学ぶ、動物好きが集まる、動物園のような学校」

です。学生はみな、「動物に関わる仕事につく」という同じ夢を持っています。

「同じ夢をもつ仲間がいる」、これほど心強いことはありません。

飼育員の仕事に少しでも興味がある方は、東京動物専門学校のオープンキャンパスにぜひ参加してみてください!

実際に学校に足を運んでいただくことで、学校のことをより知ってもらえると思いますし、動物たちとふれあう実習体験や、在校生・先生との交流を通じて、自分の将来の姿を思い描いてほしいと思います。

東京動物専門学校冨里キャンパス

次回は、そんな「動物園の飼育員になりたい人への東京動物専門学校のサポート」についてご紹介したいと思います。

お楽しみに!

執筆者:川原 祥孝<学生課所属、飼育所(実習施設)副長>

川原祥孝(学生課所属、飼育所(実習施設)副長) 保有資格 薬剤師、愛玩動物看護師、潜水士、二級ボイラー技士、玉掛け技能者、小型移動式クレーン運転技能者
自己紹介 休日は、家族と過ごすことが好きです。特に外出が好きですが、訪問先でも仕事に使えそうな事を探してしまい家族に怒られることもあったり。仕事をする上で大切にしているのは、「学生が困難な夢に挑戦している時、適度な距離感を保ちながらしっかりサポートすること」です。学生の自主性を尊重しながら、よりよいサポーターでいられたらと思っています。最近はまっている趣味は投資で、企業を調べて、考え方に共感できた企業に投資しています。