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動物園飼育員が感じるやりがいや仕事の魅力徹底ガイド

コラム動物関係の仕事

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動物園飼育員が感じるやりがいや仕事の魅力徹底ガイド
こんにちは。東京動物専門学校 学生課の川原祥孝です。

前回は「動物園飼育員になるには?必要な資格や学歴と応募のポイント」をお届けしました。

今回は、動物園やサファリパークの飼育員という仕事のやりがいとその魅力について、実際の現場の声を交えながら、わかりやすく紹介したいと考えています。

※以降、動物園やサファリパークを「動物園」と略してご案内します。


【目次】
動物と心を通わせる――関わりの中にある感動
命の誕生に立ち会う
来場者の笑顔がやりがいに変わる
卒業生のリアルな声|本校出身の飼育員たちのメッセージ
大変なこともある――だからこそ価値がある
それでもやりがいがあると思える理由
まとめ|動物園飼育員を目指すあなたへ


動物と心を通わせる――関わりの中にある感動

飼育員として働く最大の魅力は、動物と深い信頼関係を築けること。

動物園飼育員の仕事は、毎日動物と向き合うことから始まります。

エサを与え、掃除をし、健康を確認しながら、少しずつ動物との信頼関係を築いていく時間はとても大切です。

例えば、ある動物園でレッサーパンダを担当する卒業生。
はじめは警戒され、体重計に誘導することもままならない状態だったそうです。

それでも地道に毎日声をかけ関わっていくうちに信頼関係が生まれ、見つけると駆け寄ってくるように。

「その時の感動はこの仕事の醍醐味の一つであり、地道に丁寧にかかわり続けることがとても大切なことだ」と語っていました。

 

また、実際に働いてみると、他のスタッフとの何気ない会話から、長年培われてきた伝統技術のようなヒントがたくさん出てきます。こうした情報に興味を持ち、関わろうとする気持ちと行動力は、動物との信頼関係の構築に大切なポイントの一つになると思います。

 

実習日以外にも動物と触れ合える

命の誕生に立ち会う

動物の繁殖に成功し、新しい命が生まれる瞬間。何にも代えがたい喜びにあふれます。

ある動物園で働く卒業生は、ゴマフアザラシの出産に立ち会ったときのことをこう話していました。

「一年かけて繁殖に携わってきました。新たな命が誕生するかけがえのない出来事ですから、他園館からの情報収集や、仔獣が上陸しやすいように台を制作するなどの出生後の環境づくりを通じて、安心安全に出産が迎えられるよう準備しました。初産だったため仔育てがちゃんとできるか心配でしたが、出産を確認した時はちょうど授乳をしているタイミングで親子ともに無事な姿を見ることができ、とても安心することができました。」

実は動物にとって出産はいろいろなことが起こります。出産直後、お母さんがびっくりして仔どもを傷つけてしまったりする例もあります。また、お父さんとお母さんのペアリングがうまくいかずそもそも妊娠までいきつかないといったこともあります。

一筋縄ではいかず、多くの人が長い期間関わるのが繁殖です。

妊娠・出産・子育てに至るまでの過程では不安が多くある中、動物とともに乗り越えた達成感は、他の仕事では味わえない特別なものだと思います。

動物たち④

一方で、別れに立ち会うことも少なくはありません。

それまで毎日のように関わっていた動物との別れ。悲しさ、寂しさ、後悔など様々な感情に触れます。しかし、命と向き合っている以上、前を向かなくてはいけません

ある卒業生は、こんなことを言っていました。「動物との別れは精神的にタフなこともありますが、『この別れをどのように次につなげられるか』を考えることが飼育員として大切なことだ」と。

来場者の笑顔がやりがいに変わる

飼育員は、動物園に来るお客さまにとって、動物についての「案内役」でもあります。

動物園によっては、「バードショー」があったり、「キーパーズトーク」と銘打って子供たちの前で動物について説明するイベントを企画していたりしています。

子どもたちが動物を見て喜んでいる姿を見たり、自分が説明したことで動物への理解が深まった瞬間を感じたりすることは、大きなやりがいになります。

ある動物園でバードショーを担当している卒業生は、
「小さいころに見た、動物たちとの距離の近さ、感動と笑顔をくれるパフォーマンスに憧れて動物園の飼育員になった」そうです。

「今では感動と笑顔を届ける側になり、いろいろと苦労することもありますが、働くうえでの大きなやりがいの一つになっていることは間違いありません。」とも語ります。

また、キーパーズトークなどのイベントで動物の生態を解説したり、ガイドツアーで飼育の裏側を紹介したりすることで、動物と人をつなぐ存在になれるのも、この仕事の魅力です。

来場者が動物を見て笑顔になったり、驚いたり、癒されたり――そうした姿を間近で見られるのも、飼育員の特権かもしれません。

一方で、工夫も必要。

ある動物園に就職した卒業生は、キーパーズトークの時、

身近なものを例に挙げるなどしてできる限り想像しやすいようにしてもらったり、日々の来園者との会話から、「本当に来園者が知りたいこと」を探ってみたり、実は子供たちの質問はシンプルで核心をついていて大人にも響く内容だったりするので、それを参考にしたり、どのように分かりやすく伝えられるかを試行錯誤。そうした努力が通じた瞬間は、自然と顔がほころんでしまうそうです。

卒業生のリアルな声|本校出身の飼育員たちのメッセージ

本校の卒業生たちは、全国の動物園で活躍しています。
公式サイトや学校案内では、実際に動物園で働く先輩たちの本音を掲載しています。

🔗 卒業生メッセージはこちら
🔗 資料請求はこちら

小さい頃の夢がかなった

パフォーマンスを通じて感動と笑顔を届けたい

何よりも大切なのは動物との信頼関係

100回の正常を見て、やっと1回の異常が分かる

彼らの声は、飼育員という仕事の魅力と覚悟をリアルに伝えてくれています。

大変なこともある――だからこそ価値がある

もちろん、飼育員の仕事は楽しいことばかりではありません。

身体を使うことが多い仕事?

飼育員の基本的な業務の中に、飼育舎の清掃やエサの運搬、排泄物の処理があります。大型動物になればなるほど飼育舎は広く、エサや排泄物も重くなります。

また、外仕事の多い職種です。真夏でも真冬でも、大雨でも大雪でも同じ作業を行わなければなりません。強い体力が求められ、自身の健康管理が大切な仕事です。

精神的にタフなことも

動物は言葉を話しませんから、飼育する側が気づかなくてはいけません。お別れに立ち会うこともあります。喜びだけではなく悲しみも。

動物とのいろいろな局面に触れて精神的にタフであることを求められます。

動物たちの一挙手一投足に触れて、自分の五感をフル活用するという点では神経を使う仕事です。しかしそれが楽しい仕事の部分ともいえるでしょう。

それでもやりがいがあると思える理由

どれだけ大変でも「また明日も頑張ろう」と思えるのは、そこに動物たちの命と成長があるからです。

・怯えていた動物が、少しずつ心を開いてくれたとき

・子どもたちが、動物を通じて新しい世界を知ってくれたとき

・来園者が笑顔になってくれた時

それぞれの瞬間が、宝物になります。

伊豆シャボテン動物公園 香西茉尋さん (2024年3月卒業 千葉県立市川南高等学校卒業)

まとめ|動物園飼育員を目指すあなたへ

動物園飼育員は、命に寄り添い、人の心にも触れる仕事です。
大変なことも多いですが、その分だけ深い喜びとやりがいがあります。

東京動物専門学校では、そんな飼育員を本気で目指す皆さんを、実習知識資格就職支援のすべての面でサポートします。

まずはオープンキャンパスで、動物とふれあい、夢の入口を体験してみませんか?

 

次回は、そんな「動物園飼育員が明かす本音のエピソードや仕事の大変さ」についてお話ししたいと思います。

お楽しみに!

執筆者:川原 祥孝<学生課所属、飼育所(実習施設)副長>

川原祥孝(学生課所属、飼育所(実習施設)副長) 保有資格 薬剤師、愛玩動物看護師、潜水士、二級ボイラー技士、玉掛け技能者、小型移動式クレーン運転技能者
自己紹介 休日は、家族と過ごすことが好きです。特に外出が好きですが、訪問先でも仕事に使えそうな事を探してしまい家族に怒られることもあったり。仕事をする上で大切にしているのは、「学生が困難な夢に挑戦している時、適度な距離感を保ちながらしっかりサポートすること」です。学生の自主性を尊重しながら、よりよいサポーターでいられたらと思っています。最近はまっている趣味は投資で、企業を調べて、考え方に共感できた企業に投資しています。