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卒業生に聞く!ペンギンの飼育員の仕事とは?

コラム

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ペンギンの飼育員の仕事とは?

こんにちは!東京動物専門学校 学生課の川原祥孝です。
前回のコラムでは、「水族館の飼育員の一日」というテーマで、飼育員の仕事内容を詳しくご紹介しました。今回は水族館の中でも人気のあるペンギンの飼育員についてお話ししたいと思います。

水族館で人気者のペンギン

そのペンギンたちのお世話をする「飼育員」の仕事に憧れる高校生も、多いのではないでしょうか?

今回は、東京動物専門学校の卒業生で、東京都葛西臨海水族園でペンギンの飼育を担当している内山さんへのインタビューをもとに、ペンギンの飼育員のリアルな仕事内容や、やりがいについて詳しくご紹介します。

また、最後に卒業後の進路についても、お話ししていこうと思います。

※本HP【校長先生の小窓を開けると】「卒業生に聞いてみました 東京都葛西臨海水族園 内山さん 後編」の記事(2023年2月1日公開)を改変してお送りします。


【目次】
ペンギンの飼育員とは?卒業生に聞くリアルな仕事内容
ペンギンの飼育員の1日のスケジュール
ペンギンの飼育員になるには|必要な資格や進路
ペンギン飼育員を目指す方へ|よくある質問とアドバイス
東京動物専門学校のカリキュラム内容と就職実績
まとめ|ペンギン飼育員の夢を叶える第一歩


 

ペンギンの飼育員とは?卒業生に聞くリアルな仕事内容


ペンギンの飼育員の仕事内容


ペンギンの飼育員の主な仕事は、エサやり・掃除・健康管理・繁殖支援・記録作成などです。葛西臨海水族園では、200羽以上のペンギンが飼育されていて、内山さんはその飼育員を担当しています。

実際の仕事のやりがいと大変さとは


とても数が多いですから、体型や呼吸、採食量、糞など、様々な観点から健康状態を観察する力が重要で、日々その観察力を養われていることを感じているそうです。

また、ペンギン類は、注目度が高く、飼育園館も多く、研究も盛んにおこなわれていますので、情報量や情報の更新が多く、日々学ぶ姿勢が大切だと感じているそうです。

大変ではありますが、そのおかげで個体群統計学や遺伝学について学べる機会があったり、他の園館の飼育係や研究者とのコミュニティーが広がったりしていて、多くの勉強になっているとのことでした。

さらに、治療時の保定などの機会も頻繁にあり、飼育員としての知識や経験の面で成長できる機会が多いと感じているそうです。

内山さん(2022年12月当時)。水族園のドームをバックに(東京都葛西臨海水族園提供)

一方で、大変なことも。

1つ目に挙げられるのは、必ずしも希望した動物の担当になれるわけではないことの方が多いこと

担当動物によって注意点や必要なことも変わってくるので、こちらが動物に合わせて努力していくことが必要になる、ということでした。

2つ目は、当園の鳥類担当飼育係の場合は、体力は必須であるということ
事例はたくさんありますが、代表的なものだと、広い屋外の展示場の掃除をしたり、重い餌のバケツ(多いと20kgくらい)の中に入った魚をプールに撒いたりなどがあります。

ちなみに、換羽前後や繁殖期などの時期によって採食量はだいぶ異なるのですが、平均すると200羽以上を合わせた総給餌量少なくとも60kg、多い時で150kg以上にもなります。

餌を食べ終わるスピードや、給餌前後のペンギンの様子、残餌量などを参考に、都度給餌量を変更します。

ペンギン担当ならではのいろんなこと

ペンギンの種類ごとの理解が飼育の基本

内山さんの話してくれた飼育羽数に伴う大変さもそうですが、ペンギンには種類がたくさんいますので、エサのサイズ一緒に住まわせて問題ないかなど、それぞれの特徴を理解しておくことは、飼育するうえでの基本になります。

ペンギンの社会が見える!!


飼育羽数が多いので大変ですが、個体識別ができると、ペンギンたちの社会が見えてきます。

例えば、夫婦は常に寄り添って日向ぼっこしたり、気づいたら他の個体とペアを組んでいたり、ご近所同士で喧嘩したり。また、展示場にはそれぞれお気に入りの場所があるので自然と誰がどこにいるかが分かるようになります。

「昨日はあそこにいたのに、今日は向こうにいる」「昨日は〇〇と一緒にいたのに、今日は△△と一緒にいる」など、示場という空間のなかに社会があり、その中で日々の変化が見えるのは、ペンギン担当ならではの楽しみです。


展示スペースやプールの管理は結構大変

飼育羽数が多いですから、その分糞の量も盛りだくさん。また、巣小屋も夫婦の数だけあります。さらにペンギンの糞はこびりつきますから、衛生状態を保つためには、こまめにしっかり汚れを落とすことが必要です。高圧洗浄機を使って、毎日掃除をします。

お食事タイムなどのプログラムがある日には、高圧機械を使用しても9時~15時まで清掃に時間がかかり、その上そこから逆洗(濾過槽の清掃)・落水(プールの水を抜いて清掃)・ペンギンの体重測定などを、週に何回か行います。

お客様への説明や教育活動のノウハウ

ガイドを兼ねた給餌イベントを行うことがあります。その時には、お客様からペンギンの種類や生態、特徴、その時に見られた行動について、さらには特定の個体に関する質問や展示場についてなど、様々な質問を受けるそうです。

人気動物ならではの、特徴といえそうですね。

オウサマペンギンの給餌((公財)東京動物園協会提供)

ペンギンの飼育員の1日のスケジュール


ペンギンの飼育員の1日は、朝早くから始まります。

7:30 出勤・ペンギンの健康チェック
🐧前日の食べた量や排泄の状態、羽の様子などを細かく確認します。
8:00 エサの準備と給餌
🐧ペンギンの種類や年齢、健康状態に合わせて魚の種類や量を調整します。
9:00 掃除・水質チェック
🐧プールの水質やろ過装置の確認、展示場やバックヤードの清掃を行います。
11:00 観察・来館者対応・イベント補助
🐧行動記録の作成や、必要に応じてガイドツアーのアナウンスなども行います。
15:00 夕方の給餌と健康チェック
🐧食欲や様子を観察しながら、1日の最後のエサを与えます。
17:00 終業・引き継ぎ・記録
🐧飼育記録や体調の変化をチームで共有し、次の日に備えます。

フェアリーペンギンへの給餌((公財)東京動物園協会提供)

ペンギンの飼育員になるには|必要な資格や進路

ペンギン飼育員に必要な資格・免許


ペンギンの飼育員になるために特別な国家資格は必要ありませんが、潜水士危険物取扱者などの資格を前もって持っていると、就職後すぐに役に立つことがあります。

専門学校・大学・勉強内容の違いを解説

水族館で働く人の多くは、大学に進学するか専門学校(または短期大学)に進んでいますが、それぞれにメリットがあり、自分の目指す方向性や学びたい内容によって、適した進路は異なります。

大学の場合 ~学術的な学びと資格~

大学に進学する場合、水族館での仕事に直結しやすい学部としては「水産学部」「海洋学部」「農学部(畜産系)」「理学部(生物学系)」などが挙げられます。大学に進むメリットは、学芸員資格や教員免許など将来選択肢を広げる資格取得が可能な点、そして研究活動を通じて専門性を磨ける点です。一方で、実践的な飼育現場の経験は、専門学校よりは少なくなります。

専門学校の場合 ~仕事に直結する実践的な学びと資格~

専門学校に進学する場合は、動物や海洋生物の飼育に特化したコースを持つ学校を選ぶことになります。専門学校のメリットは、なんといっても実践的なカリキュラムと就職サポートです。インターンシップ(施設研修)として、実際の水族館で職場体験を積める機会が充実していることが特徴です。

ペンギン飼育員を目指す方へ|よくある質問とアドバイス


ペンギンの飼育員への適性や向いている人の特徴

水族館の飼育員は、誰にでも務まる仕事ではありません。

では、どんな人がこの仕事に向いていると言えるのでしょうか?

いくつか特長を挙げてみます。簡単に言うと、「動物が大好きで、責任感があり、体力のある人」が飼育員に向いていると言われます。

ペンギンが大好きで、毎日のお世話に関心がある人

まず何と言っても根っからの動物好き、生き物好きであることでしょう。そしてその動物の魅力を支えていきたいと思える人が向いていると思います。

ペンギン以外の担当になっても前向きにとらえられる人


必ずしもペンギン担当になれるかは分かりません。

たとえ別の動物の担当になったとしても、逆にそれをチャンスにして前向きに進めるがいいですね。

概要イメージ

いつか自分もその場に立つ日が来る

動物の小さな変化に気づける観察力のある人

ペンギンの飼育は、その羽数が多いことが特徴です。それぞれの個体の体型や呼吸、採食量、糞など、様々な観点から健康状態を観察する力が重要です。

屋外や重荷作業に耐えられる**体力** のある人

内山さんのインタビューにもある通り、屋外での清掃作業、大量のエサを準備して運ぶ重荷作業がついてきます。

「お世話をする」というと響きはいいですが、実際は体力のいる裏方作業であることを知っておきましょう。


チームで連携できる**協調性** のある人

担当、といえども一人で作業するものではありません。

同じ職場の仲間と情報を共有しながら、チームで動物を支えていきます。そんなとき、動物の状態をきちんと見続けることや作業の進行をとめないようにするためにも、お互いのコミュニケーションがとても大切です。

ペンギンの飼育員になるための勉強や試験の準備法・学校選びのポイント


高校では**生物・化学**などに親しんでおくと役に立つ


水族館では、ペンギンやカワウソなど哺乳類・鳥類だけでなく、魚も飼育していますし、クラゲやサンゴといった無脊椎動物も扱います。

様々な動物の分類や生態、生理機能について興味を持っておくとよいでしょう

また、水に生きる生きものにとって水質は、健康維持の生命線です。適切な水質を維持するにはどうすれば良いのかを理解しておくことは、とても大切なことの一つでしょう。

学校選びでは、**実習施設や動物の種類の多さ、就職実績**をチェックしよう


水族館で働くためのスキルは、教科書からの知識だけでなく、実習や現場経験から得る部分が大きいです。

なぜなら、動物相手の仕事は、実際に体を動かして対応することが多くあるからです。

このことから、学校選びの際は、どのような実践的なカリキュラムが組まれているのかを調べてみるといいでしょう。

一般的には、専門学校では在学中から動物の世話に携わる機会が豊富に設けられている一方、大学でもフィールドワークや附属水族館での実習がカリキュラムに組み込まれていることがあります。また、目指す業界への就職者数が多い学校は、それだけ指導ノウハウやネットワークが蓄積されています。

東京動物専門学校のカリキュラム内容と就職実績


たくさんの動物に囲まれて学ぶ


東京動物専門学校では、1年次から校内で様々な動物の実践的な飼育実習が行われています。

犬猫はもちろんのこと、ホワイトタイガーナマケモノアルパカカンガルーバクといった動物園でしか見ることのできない動物たちや、鳥類爬虫類、そして水族館につながる海獣類(アシカアザラシ)まで、200種1500頭羽を超える動物を学生がローテーションで担当し、餌やり・清掃・健康チェックなどを学びます。

教室で習った理論をすぐ実習で試せる環境が整っており、動物への接し方や安全管理を日々の実践の中で修得していきます。

2年次になると施設研修(インターンシップ)として、約1ヶ月間、希望する水族館や動物園で職場体験を行います。実際に職員の一員として朝から晩まで飼育業務に携わり、学校では味わえないリアルな現場体験を積むこともできます。研修先は全国の水族館が対象です。

先輩たちが開校以来35年積み重ねてきたネットワークのおかげで、多くの施設が東京動物専門学校の学生を受け入れてくれています。

卒業生は延べ3,500人以上


現在までに卒業生が3,500名を超え、全国の動物園・水族館ほか様々な施設で活躍しています。

特に動物園や水族館に強く、 2024年3月卒業生にいたっては、46%が動物園や水族館に就職しています。

現在も、次のような全国の水族館で卒業生が活躍しています(2024年5月現在)。

また、卒業生が多いということは、それだけ現場とのつながりも強い証拠です。オープンキャンパスでは、こうした卒業生の活躍についても紹介されることが多いので、ぜひチェックしてみてください。

葛西臨海水族館 サンシャイン水族館 しながわ水族館 すみだ水族館
よみうりランドアシカ館 アクアパーク品川 箱根園水族館 横浜・八景島シーパラダイス
さいたま水族館 鴨川シーワールド 青森県営浅虫水族館 鶴岡市立加茂水族館
仙台海の社水族館 なかがわ水遊園 茨城県大洗水族館 上越市立水族博物館
のとじま水族館 下田海中水族館 幼魚水族館 名古屋港水族館
鳥羽水族館 伊勢夫婦岩ふれあい水族館シーパラダイス 道の駅紀宝町ウミガメ公園 琵琶湖博物館
ニフレル アドベンチャーワールド 太地町立くじらの博物館 新屋島水族館
しまね海洋館 長崎ペンギン水族館 大分マリーンパレス水族館「うみたまご」 おきなわワールド
沖縄美ら海水族館

卒業生からのメッセージとこれから飼育員を目指す方への応援


内山さんからは、

「園館によるかもしれませんが、必ずしも希望した動物の担当になれるわけではないのが実情です。しかし、担当になった動物に、真摯に向き合い努力してほしいです」

という言葉をもらいました。

どんな仕事であっても前向きに取り組むことは、とても大切なことです。以前のコラムでも紹介しましたが、動物飼育員としての仕事に就くことを夢見ていた人が、はじめは動物飼育員ではなく接客スタッフとして就職し、努力した結果、のちに夢の飼育員の仕事に就いた、という人もいます。「努力すれば夢はかなう」ということです。

ぜひ東京動物専門学校で、夢を一緒に追いかけてみませんか?

まとめ|ペンギン飼育員の夢を叶える第一歩

ペンギン飼育員は、ペンギンがかわいいからというだけで務まるわけではありません。毎日が学びで、毎日が挑戦です。しかし、「自分の好きを仕事にする幸せ」はそんな大変さも軽く超えていくでしょう。

東京動物専門学校では、ペンギン飼育を含む水棲動物の実習が充実しています!

現場を体験できるオープンキャンパスも開催していますので、まずは見学や体験に参加してみましょう!

※本記事で紹介している内山さんへのインタビューは、2023年2月1日に、【校長先生の小窓を開けると】「卒業生に聞いてみました 東京都葛西臨海水族園 内山さん 後編」の記事を改変して掲載しています。また、前編(2022年12月13日配信)では、内山さんの学生時代のお話や、どうして葛西臨海水族園に就職したのかなどのお話を読むことができます。ぜひ参考にしてみてください。

挨拶イメージ

さぁ、始まりの一歩を踏み出そう!

執筆者:川原 祥孝<学生課所属、飼育所(実習施設)副長>

川原祥孝(学生課所属、飼育所(実習施設)副長) 保有資格 薬剤師、愛玩動物看護師、潜水士、二級ボイラー技士、玉掛け技能者、小型移動式クレーン運転技能者
自己紹介 休日は、家族と過ごすことが好きです。特に外出が好きですが、訪問先でも仕事に使えそうな事を探してしまい家族に怒られることもあったり。仕事をする上で大切にしているのは、「学生が困難な夢に挑戦している時、適度な距離感を保ちながらしっかりサポートすること」です。学生の自主性を尊重しながら、よりよいサポーターでいられたらと思っています。最近はまっている趣味は投資で、企業を調べて、考え方に共感できた企業に投資しています。