
こんにちは!東京動物専門学校 学生課の川原祥孝です。
これまでは「動物園の仕事」や「水族館の仕事」について解説してきましたが、
今回からはテーマを変えて、「牧場の仕事」の内容ややりがいについてお話したいと思います。
皆さんは「牧場」という言葉を聞いたとき、どんな所をイメージしますか?
・広大な自然に放牧されている牛の牧場
・乗馬のできる馬の牧場
きっとそんな所を想像することでしょうね。
でも実は、牧場といってもいろいろ。食を支える牧場、人と自然をつなぐ牧場など様々です。そこでまず、牧場はどんな所で、どんなタイプがあるのかを紹介しましょう。
【目次】
・牧場とはどんなところ?
・牧場で仕事をすることは何につながる、そのやりがいは?
・求められる健康と体力
・牧場の仕事に向いている人とは
・牧場の仕事を比較! 観光・酪農・畜産・馬…
観光牧場の仕事について
酪農業の仕事について
畜産業の仕事について
馬牧場の仕事について(乗馬クラブ・競走馬育成)
・牧場の仕事に必要な資格とスキル
・東京動物専門学校で観察力を身に付ける
・まとめ:牧場での仕事を希望するみなさんへ
牧場とはどんなところ?
牧場は、牛、豚、馬などの動物を飼育する施設です。目的は様々で、以下のように分けられます。
牛乳を搾るための牛や、肉にするための牛や豚、鶏などを育てる「酪農・畜産」、
お客様に楽しんでいただくための「観光牧場」、
そして、競走馬を育成、引退した馬の介護をする「馬牧場」などです。
牧場で仕事をすることは何につながる、そのやりがいは?
では牧場で働くことは何につながるのか、そして、その「やりがい」とはどんな事なのかを考えてみましょう。
以下の3つにまとめてみました。
命の尊さやあたたかさを実感できる
まず一つ目は、牧場は働くことで「命の尊さやあたたかさを実感できる所」です。
例えば、牛や豚の酪農畜産業を考えてみましょう。
動物たちは健康を守られながら大事に飼育されますが、いずれは出荷され、肉、乳、毛皮などに姿形を変えて、私たちの食卓へ届けられます。
普段あまり考えないことかもしれませんが、私たち人間は、動物の命、また命から生み出されているものを頂いています。
動物たちの病気や怪我、新しい命の誕生、別れに接することもあります。
彼らの命に接し、その尊さやあたたかさを実感します。
牧場は、動物たちの命があってはじめて人の生活が成り立っているのだということを、肌で感じることができる所です。
自分が社会に役立っていると実感できる
二つ目は、仕事を通して「自分が社会に役立っている存在だと実感できること」です。
一つ目でも触れましたが、私たちが普段食べている牛乳や肉は、牧場での飼育者の仕事の成果です。
また、観光牧場や乗馬などは、レクリエーションを通して、訪れた人々に癒しや喜びを与え、感じさせることができます。
つまり、牧場で働くということは「癒しや喜びを提供する場でもある」ということです。
「自分の仕事が社会に役立っている」と実感できることは、社会人として仕事をするうえでとても大事なことです。
自然の中で成長できる
そして三つ目は、「自然の中で人として成長できる環境」であるということです。牧場の仕事は、決して楽なことばかりではありません。
言葉の通じない自然、動物が相手の仕事です。だからこそ、その仕事にたずさわることで、責任感、継続力、チームワークなど、どんな仕事にも役立つ力が身につきます。

東京ドーム一つ分の面積を誇る動物飼養施設 東京動物専門学校富里キャンパス
求められる健康と体力
牧場での仕事は、良いことばかりではなく肉体的に大変な一面もあります。早朝の作業、天候に左右される環境の中、体力を使う仕事でもあります。
重い飼料を運ぶ、牛舎の清掃作業など肉体労働も多く、季節によっては暑さや寒さもこたえます。
そこで大事なのは、健康と体力です。
牧場の仕事に向いている人とは
動物が好き
牧場の仕事に向いている人は、何よりも動物が好きなことです。牛や馬など、言葉では人間と意思疎通のできない動物と接する仕事なので、一頭一頭に愛情を持って世話ができる人が向いています。しかし、ペットとは違う点があります。
牧場の動物は、相手が「仕事」として向き合う存在だからです。
体調管理や掃除、大量の餌やりが必要ですし、時には出産のサポートなども伴います。「かわいいから好き」という気持ちだけでは、なかなか難しい仕事です。
命を支えることの責任や喜びに魅力を感じる人、その人こそ牧場の仕事に向いています。
地道に続けられる人
牧場での仕事は、毎日の積み重ねです。
天気が悪くても、早朝でも、深夜でも、動物たちは待ってくれません。
そのため、長時間労働や重労働が多くなることもあるので、体力に自信がある人が向いています。
仕事に派手さはありませんが、同じことを丁寧に続けられる人が信頼されます。
実はこれ、とても大事な資質です。
自然が好きな人
牧場で働く魅力の一つに、自然を身近に感じながら働けることがあります。
季節の変化を感じ、動物の成長を間近で見ることができることは、この仕事ならではの魅力です。
体を動かすことや屋外で過ごすことが好きな人には、とても向いています。

東京動物専門学校の学生はみな動物が大好きで元気いっぱい!
牧場の仕事を比較! 観光・酪農・畜産・馬…
観光牧場の仕事について
観光牧場は、動物と触れ合い農業体験ができるようにした牧場で、牛や羊などの動物の世話はもちろん、来場者対応を行うのが主な仕事です。
具体的には、場内ツアーのガイド、餌やり体験の指導、搾乳体験のサポート、乗馬補助、ショップや飲食コーナーでの牧場産品の販売、動物ふれあいコーナーでの案内、
様々なことを通じて、動物の魅力、自然の魅力を伝えます。
いわば、「人と動物をつなぐ仕事」です。
東京動物専門学校の卒業生がツアーガイドや羊飼いなどを担当し、飼育員ならではの解説で、家畜の魅力を伝えている牧場も数多くあります。観光客が笑顔になる場面に立ち会えるのも、大きな魅力です。
酪農業の仕事について
酪農業は、牛の世話を通して、私たちの食卓に欠かせない牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの原料「生乳」を生産する仕事です。
毎日の搾乳や給餌、牛舎の清掃、体調管理など、地道な積み重ねが、品質の良い牛乳につながります。
一頭の牛からは一日当たり50kg前後の牛乳が搾乳できます。びっくりの量ですよね。
しかし、それだけ多くの牛乳を作る体なのですが、意外とデリケートです。良い品質につなげていくためには、搾るだけでなく、それと同時に体の異変にも注意を配らなければならなりません。
この仕事は、体力が必要な場面が多く辛く思うこともありますが、出産の場面に立ち会うことができることや、子牛の成長を間近で感じられることもあり、そこに「喜び、やりがい」が感じられます。
東京動物専門学校からも、毎年数多くの卒業生が酪農業に就職します。

富里キャンパス内で行われるジャージー牛の搾乳実習
畜産業の仕事について
畜産業は、牛・豚・鶏などの家畜を育て、主に肉製品をはじめとする、安全でおいしい食を支える仕事です。
例えば、養豚場では母豚の管理や子豚の世話を行い、十分に育ってきたところで食肉として加工し、食卓に提供していく仕事です。
酪農業と同様に、毎日の給餌や健康管理、清掃など地道な作業が中心ですが、その積み重ねが品質や安全性につながります。
特に最近では、数を多く飼育する大規模農場が増えました。
畜産業では、群で管理することが一般的ですので、衛生管理が重要視されます。一旦病原体が侵入すればあっという間に広がり、大切に育ててきた動物たちが病気になってしまいます。決して楽な仕事ではありません。
しかし酪農業と同様に、命を育て社会に貢献できるという大きなやりがいがあります。東京動物専門学校からも、毎年卒業生が畜産業に就職します。
馬牧場の仕事について(乗馬クラブ・競走馬育成)
馬牧場の仕事は、大きく分けると2種類があります。
「乗馬クラブ」と、競走馬の育成調教や引退後の余生を過ごさせる「牧場」です。
仕事内容や働き方には、それぞれ特徴があります。
◆乗馬クラブ
「乗馬クラブ」は、馬の飼育管理に加えて、乗馬体験やレッスンのサポート、利用者対応などを行います。
馬は繊細な動物なので、普段の観察力や思いやりが大切ですし、接するには豊富なコミュニケーション力が求められます。
東京動物専門学校の卒業生も、乗馬クラブで活躍していますので、是非インタビューをご覧ください。
◆競走馬の育成牧場
「競走馬の育成牧場」は、サラブレッドと呼ばれる将来レースで活躍する競走馬の飼育・調教・管理が仕事です。
餌やりや馬房の清掃、健康管理はもちろん、調教や運動のサポートなど、馬の成長段階に合わせた細やかなケアを行います。馬は繊細な動物なので、小さな体調の変化にも気付く観察力が必要です。
しかし自分が育成した馬がレースで活躍する姿を見られるのは、大きなやりがいの一つです。
東京動物専門学校の卒業生も、競走馬の育成牧場で活躍していますので、是非インタビューをご覧ください。
> ノーザンファーム 峰田眞照さん
> ノーザンファーム 小泉玲さん
牧場の仕事に必要な資格とスキル
動物を観察する力を身に付ける
牧場の仕事に必須の資格はありませんが、あると役立つものがいくつかあります。例えば「大型特殊免許」「フォークリフト免許」は、飼料運搬や機械作業で活かせます。
また、「家畜人工授精師」「家畜衛生」に関する資格を目指す人もいます。
しかし、何より大切なのは資格よりもスキル。特に、動物をよく観察し、その変化に気づく力は日々の仕事の基本です。
また、これまでの仕事の紹介のなかでも述べましたが、日々コツコツと続けていく気持ちと体力が大事です。さらに、チームで働くコミュニケーション力が身についていると、ベターです。
東京動物専門学校で観察力を身に付ける
先にも書きましたが、動物の仕事をしていくうえで何よりも大切なことは、「動物を観察し変化に気づく力」です。
動物は言葉を話しません。基本的に人間の飼育下に置かれているわけですから、何をするにも人間の手助けが必要です。つまり、健康か体調が悪いかどうかなどは、人間側で気づかなければなりません。これは、机の上での勉強だけでは身につきません。
実践の場で、どれだけ多くの動物を観察してきたかがポイントです。東京動物専門学校では、ホワイトタイガーやワオキツネザルといった希少動物をはじめとして、動物種約200種1500頭(羽)を飼育する実習施設を保有し、その観察力を存分に身に付けることができます。もちろん牛もいれば山羊、羊、豚、鶏もいます。動物たちに日々直接触れ、実際に飼育することで観察力が高められます。
ちなみに、東京動物専門学校にいる牛は「ホルスタイン種」のほか「ジャージー種」がいます。搾乳作業はもちろん学生が。また、実際に搾った牛乳をアイスに加工して、学校祭(年に一度の学園祭)で振舞ったりもします。

まとめ:牧場での仕事を希望するみなさんへ
東京動物専門学校では、オープンキャンパスを随時実施しています。「動物を直接飼育しながら学ぶってどういうこと?」
「動物を観察する力ってどういうこと?」など、
実習施設に足を運んでもらえれば、皆さんが実際に体験できるようになっています。興味を持っていただけたら、ぜひ申込んでほしいと思います。
そのほか、全国的には農業協同組合(JA)などが主催する酪農ヘルパー養成研修や各種セミナーがあり、いろいろな観光牧場や酪農畜産牧場で、その体験受け入れを行っているようです。住いの近くの牧場を、検索してみてもよいかもしれません。
東京動物専門学校は、あなたの「牧場で働きたい」という希望を全力で応援します。オープンキャンパスでお会いしましょう!
次回は、今日ご紹介したいろいろなタイプから、観光牧場をとりあげてもう少し詳しく見ていきたいと思います。お楽しみに!

さぁ、始まりの一歩を踏み出そう!
執筆者:川原 祥孝<学生課所属、飼育所(実習施設)副長>
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保有資格 | 薬剤師、愛玩動物看護師、潜水士、二級ボイラー技士、玉掛け技能者、小型移動式クレーン運転技能者 |
| 自己紹介 | 休日は、家族と過ごすことが好きです。特に外出が好きですが、訪問先でも仕事に使えそうな事を探してしまい家族に怒られることもあったり。仕事をする上で大切にしているのは、「学生が困難な夢に挑戦している時、適度な距離感を保ちながらしっかりサポートすること」です。学生の自主性を尊重しながら、よりよいサポーターでいられたらと思っています。最近はまっている趣味は投資で、企業を調べて、考え方に共感できた企業に投資しています。 |
